私たちが普段から使う靴・袋物(カバン、ハンドバッグ、小物)・衣料などの革製品が、皮からどのように製革されていくのかをわかりやすく解説します!
原皮は主に、牛・馬・羊・山羊・豚の家畜であり、爬虫類そして両生類の皮を含みます。成牛皮、馬皮などの重い皮はハイド、子牛皮・羊皮のように薄くて軽い皮はスキンと呼ばれています。豚皮以外、8割が米国などより輸入されています。
血液・汚物などを取り除き、脱水された水分を補い生皮の状態に戻します。薬品処理をスムーズに行うための重要な工程です。
裏打機を用いて、皮の肉面(裏面)に付着している肉片や脂肪を取り除きます。
皮革独特の柔軟性を生むために、石灰乳に浸漬させ、アルカリにより皮を膨潤させ皮のコラーゲン繊維をほぐすと共に、毛・脂肪・表皮層を分解除去します。
分割機を用いて皮を所定の厚さに銀面(表面)側と肉側(床皮)側の二層に分割します。
脱毛・石灰漬けの段階で除去しきれなかった毛根などを取り除き、銀面(表面)をきれいにします。
ソフト革やスエード調革には不可欠な工程です。石灰乳に再浸漬し、皮のコラーゲン繊維のからみをほぐします。
石灰を取り除き、鞣剤の浸透を容易にします。酵解は、不要なタンパク質を分解除去して、斜面をなめらかにします。
酸性液に浸して、鞣剤の吸収をよい状態にします。
※タンニン鞣し:浸酸工程不要
耐久性・耐熱性(90~120℃)をつけるために、クロム鞣剤を皮に浸透させてコラーゲン繊維と結合させます。
※代表的な鞣しの分類には、クロム鞣しの他にタンニン鞣し、コンビネーション鞣しがある:タンニン鞣しは、植物からの抽出物(エキス)で鞣される。耐熱性(70~90℃)
革中の余分な水分を機械で絞り出します。
シェービングマシーンで革の肉面を削り、一定の厚さに調整します。
用途に合った(靴・衣料・袋物・その他)を作るために薬品を使って調整し、特性を与えます。
染料や加脂剤の浸透が均一になるように中和します。
染料を用いて希望の色に染めます。加脂は油を使って革に柔軟性や豊満製などの感触の特性を付与します。
機械により、革中の余分な水分を絞り取り、革を伸ばします。
染料や加脂剤を固着させるために乾燥させます。自然乾燥か熱風乾燥を行います。革の感触に直接的に影響する重要な過程です。
革に適当な水分を与え、もみほぐし易くします。
ステーキングマシンにより革をもみほぐし、柔軟性や弾力性を与えます。
平らな状態に乾燥させ、味(水分)を除去します。
製品を仕上げるのに不必要な革の縁廻り、その他を縁たちします。
スエードなどにする場合、バッフィングマシンを用いてサンドペーパー掛けを行います。銀むきされた革はブラッシングマシンにより除塵されます。
外観の美しさを色と艶で強調するため、革の耐久性を得るために染料・顔料などで銀面(表面)を塗布します。
グレージングマシンやロールアイロン、ハイドリックプレスで表面に艶を出し、ハイドリックプレスの圧力で型押をしたり、ボーディングマシンを使い揉み作業を行います。
計量機にかけて革面積を計量します。
靴用革、底革、袋物用革、衣料革、エナメル革、工業用革など各種の製品革になります。
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